漫画の世界の住人が現実世界に飛び出して、漫画を描いている「神様」こと越前さんに恋をするというなかなかぶっ飛んだ設定なわりに地味なストーリーだったけど…いやぁ楽しかったなぁ。
現実世界のことを何も知らない漫画の世界の住人が、現実世界で人々の温かさに触れたり、戦争や飢餓や暴力といった厳しい部分を知って絶望したり、親切にしてくれた玉田工場長の突然の死で人間が死ぬという事を経験したりと見ていてこちらもホッとしたり胸が痛くなったり。
ヒロインの麻生久美子って時効警察の三日月のイメージが強かったのでコミカルな感じになるのかと思ってたんだけど、少女の様な透明感のあるかわいらしさでビックリした。最終話ではらちゃんに「好きじゃない」と言われたとすねた顔なんかはグッと来たよ。
長瀬は時代錯誤のダサい恰好に変顔なんかもガンガン入れた演技は◎。ちょっとうっとおしい位のリアクションもピュアでまっすぐな感じが出てたし、長瀬をイメージして作ったキャラ設定というのも何かわかる気がする。
薬師丸ひろ子はQ10の時の様な雰囲気が好きだったので、今回も同じような感じで良かったわ。ユキ姉とのエピソードもホロリとしたし。最初は謎多き感じだったけど、結構早い段階から彼女の正体に気がついていた人は多そう。
脇役の人達の中でも光石研・白石加代子・甲本雅裕のベテラン勢が地味にいい仕事してたと思う。セリフこそそんなに多くはなかったけど、肝心なところではグッとくることを言ってみたり、セリフはなくても表情だけでも魅せてくれたりといい仕事をしていた。笑いおじさんは残念ながら最後まで名前がつかなかったけど、最後に台詞がちゃんともらえて良かった(笑)
しかし最終回で麻生と長瀬がマンガ世界から戻ってから長瀬だけマンガ世界に戻る事になった時、ノートを開いたら麻生も一緒にマンガ世界に戻ってしまうんじゃないかと思ったんだけど、彼女だけ戻らなかったのはなんかちょっとモヤっとしたな。
視聴率は10%前後だったみたいだけど、数字以上に満足できた作品でした。
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